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名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

Amazonのカスタマーレビューから、データベーススペシャリストの勉強法を考える

先日のエントリからのつながりで、色々な書籍のカスタマーレビューを眺めていました。

また、このブログ(社内の人向けの情報提供をひっそりと晒しているだけ)の外部からのアクセス経路を見ていると、情報処理技術者試験絡みでやってくる割合が高そうです。

 

以前、「参考書・問題集選び」と称して、データベーススペシャリスト試験のお勧め書籍を挙げたので、その書籍のレビューを見ていたところ、ちょっと気になったので、もう少し追加で書こうかと思います。

 

www.shoeisha.co.jp

 

Amazonのレビューはこちら

2017年版はこちらです。

www.shoeisha.co.jp

 

レビューを見ると、評価の点数が高い人と低い人、両極端です。

で、低い人が、試験に近い日付に集中しています。おそらく、実際に使ってみて(みようとして)思い通りの内容ではなかった、ということなんでしょうね。

「内容が中途半端」(必要な範囲をカバーしていない)「移動などの隙間時間に使いづらい」という声が上がっていて、その点については、わかる気もするのですが…これをポストされた皆さん、ちゃんと試験で合格できたのかな…と、(いらんお節介ですが)心配になりました。

 

まず、「内容が中途半端」(必要な範囲をカバーしていない)で、別の教科書が必要だった、ということですが、すでに応用情報レベルのデータベース分野を理解できていれば、午後の定番分野の解説は、この本で十分なはずです(文体が嫌いだから読み進めづらかった、というのならわかります)。

書籍に記されている通り、午前の勉強で参考書や解説が必要なら、午前用の書籍は別途必要になります。

午後の勉強で「内容が不足している」と感じているのであれば、もしかすると、「元々この試験を目指すレベルではない」のかもしれません。

もちろん、十分な時間があれば、その状態から合格を目指すのも、悪くはないと思います。

ただ、午後問をひたすら解く勉強法を続け、実際に受験してみると、「午後の定番分野を解くには、この本に書いてあった内容で十分だった」ということに気づくと思います。

※平成26年以降の午後Ⅱ問1の新傾向問題(総合問題)については、どの参考書も後追いでしかカバーできていないと思います。もっとも、実務経験がある人は、午後Ⅱは問2の概念データモデル中心の問題より、問1の総合問題のほうが解きやすいと思います。

 

「隙間時間に使いづらい」というのは、そもそも、買う本が間違っています。

「隙間時間用」なら、ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]のほうがオススメです。が、こちらについても、「元々この試験を目指すレベルではない」人には難しくて読みづらいかもしれません。

www.shuwasystem.co.jp

 

データベーススペシャリスト試験は、ネットワークスペシャリスト試験などと違って、試験範囲・形式が比較的固定化されている一方、午後試験を解くには「慣れ」が必要です。

慣れるためには、ある程度時間を取って、過去問を実際に解いてみる必要があります。いくら実力があっても、慣れていないと、大抵時間が足りなくなります。

逆に、試験範囲はかなり狭いので、知識の詰め込みはそれほど必要ありません。

 

「読む勉強法」だけで試験対策OKなのは、よほど適応能力が高いか、過去に何度か受験し試験に慣れていて、かつ「時間切れ」「記入ミス」以外の理由で失敗している人ぐらいでしょう。

 

ちなみに、「説明がわかりやすそう」な参考書としては、こちらがあります。

book.impress.co.jp

受験当時、こちらの書籍の平成27年版も読みました。が、正規形の判定根拠の説明など、重要なポイントでの誤りが多く、Webサイトの正誤表にどんどん追加されていくような状態だったので、途中でまともに読むのをやめてしまいました。

平成26年版から、毎年フルに書き下ろしているわけではないのですが、平成26・27・28年版のそれぞれの正誤表を見ると…残念ながら、あまり改善されていないようです(平成29年版は改善されたかもしれませんが)。

ただの誤字脱字なら、推測がつくので大した問題ではないのですが…重要なポイントでの、内容の誤りが多いのが残念です。

 

私としては、この本の著者のことは嫌いではないし、運営するWebサイトにもお世話になったので、あまり悪くは言いたくないのですが。

 

また、A4版の過去問題集(3~4年分収録されているやつ)も買ったのですが、こちらは全く使いませんでした。

理由は、以前のエントリに書いたとおり、添付(ダウンロード)の解答用紙にまともなER図がかけないという問題があったのと、先にあげた参考書のサポートWebサイトからダウンロードした解説で十分だったからです。

 

いずれにせよ、参考書や問題集を買うときは、表紙の宣伝文句やパッと見のとっつきやすさやカッコよさで判断せずに、ある程度中身を読んだ上で決めたほうがいいと思います。

 

Amazonのカスタマーレビューを読むと、「中身をよく確認せずに買ってしまった」ゆえの悲劇が繰り返されているような気がします(Kindleの場合、サンプルだけでは不十分、というのもわかりますが)。