構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

PostgreSQL Conference Japan 2023(11/24)前編

去年に続いての参加です。今回は朝から参加しました。

www.postgresql.jp

終わった後の感想を一言でまとめるとこれ。

あと、今回は「猫も杓子も(象も亀も)Vector Store」という感じで、随所で pgvector への言及が見られました。

参加セッション

【K1】The Future of PostgreSQL: Fostering Adoption Through Extensibility(OrioleDATA / Korotkov さん)

朝一からディープな技術に触れるセッションでした。

PostgreSQL の拡張性の話に始まりテーブルアクセスメソッド(TAM)、WAL、バッファ管理など現状の問題点と OrioleDB での解決のアプローチの解説だった…のですが流石に詳細は理解できませんでした。

MySQL の基本構造のほうが「シンプル」ですからね(最近はちょっとずつ複雑化していますが)。

などと言っていましたが、次のセッションとの間に通訳さんが「私は開発者でもエンジニアでもない」とおっしゃっていて驚愕しました。

「成果は最終的に OSS として PostgreSQL 本体へ」という話もされていたようなので、なおさら「日本では VC や投資家から資金調達するのが難しそうな事業だな」という感想が。

無茶振りをぶち込んでみました。

【K2】PostgreSQL the way only Google can deliver it: A deep dive into AlloyDBGoogle Cloud / Okan さん)

Google Cloud のマネージド DBMS、特に AlloyDB を中心としたセッションでした。

こちらのほうは自分でも(実際に使ったことはないけれど)把握していた内容がほとんででしたので安心(?)して聞けました。

「Spanner と AlloyDB の使い分けがわからない」という反応が多かったのですが、Spanner は「RDB っぽく使える分散 DB」、AlloyDB は「Writer のスケールには上限があるけれど、よく使われる範囲で普通に高性能な RDB」と考えれば良いのではないでしょうか。

そして、Aurora などよりも後発なので、細かいところが工夫されている印象です。

HeatWaveMySQL)でも従来から「分析に関係ないカラムは HeatWave の列指向インメモリ DB に転送しない」指定はできたのですが、最近発表されたアップデートで AI/ML 自動判定ベースでカラムを選択して転送する機能が加わりました(HeatWave 側のメモリの節約が可能)。

「AlloyDB はキャッシュの一部、HeatWaveRDB 本体とは別の列指向インメモリ DB」への展開になる点は全然違いますけど。

こちらも PolarDB とか HeatWaveMySQL)とか実例が増えている印象です。

LLM は API 解放で各社が学習して作った AI/ML のモデルが気軽に利用可能になった一方で、こちらはそう簡単には行かないですね。

AlloyDB Omni については「知らなかった」という反応が多かったのが意外でした。

pgvector についてはさすがに聞いたことがある人が多かったようですが、AlloyDB (AI) の Vector 関連機能についてはあまり馴染みがない反応でしたね。

ぬこさんのラーメンデータベースのバージョンアップに期待!

【T1】今、改めて考える PostgreSQL プラットフォーム - コンテナからマルチクラウドまで -NTTデータグループ / 小林さん)

(再)転職されてデータベースソムリエ業に復帰(?)された、こばさんのセッション。

AWS や Azure、Google Cloud などパブリッククラウド各社が直接提供するサービスと、それらの基盤上に KubernetesPostgreSQL を使って構築してユーザーに提供している DBaaS サービスを中心としたお話でした。

ここ数年で DBaaS 利用がなり伸びた印象です。

AWS に限らず、クラウドベンダー各社はそれぞれ OSS に手を加えてサービス提供している…という話を(私が参加していない)別枠の 2 つか 3 つぐらいのセッションでも講演されていたようですね。

HeatWave on AWS についての意見を求められた際、「ここ↑大事ですよね」という感じで中の人にリクエストをしておきましたが…

本音はこれ↑でしょうね。

午前の話と被りますが、LLM の API を提供する各社がユーザーからのリクエストに応えられず利用を待たせている現状(GPU 付きプラットフォーム不足?)を見ると、ちょっと不安が。


後編に続きます。

hmatsu47.hatenablog.com

iOS(iPadOS)のブラウザで X(Twitter) 埋め込み多用ページがリダイレクト多発で読めなくなっているので、やむをえず分割)