構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

ヤフー名古屋 Tech Meetup #4 - OSSコミッターNight(11/12)

参加してきました。

yahoo-nagoya.connpass.com

当初より技術的なこと以外の話が中心になるだろうとは思っていましたが、

  • 普段から(特定の、という意味ではありませんが)OSS にはお世話になっている
  • お世話になっているのに無関心なのはちょっと…

ということで、コミッターの皆さんのお話を聞きに行きました。

※今回は個別ではなく全体を通しての感想などを書きます。

  • Apache Hadoopコミュニティとヤフーの関わり(鯵坂 明さん)
  • 身近な技術的課題から始めるOSSプロジェクト(林 和弘さん)
  • 標準技術に携わる理由と標準化活動のやり方について 〜ID連携・認証領域の事例〜(倉林 雅さん)

Apache Hadoop のようなコミュニティが存在する著名な OSS から、身近なことを対象にした小規模な個人開発 OSS、そして標準技術としての OSS、のそれぞれ「毛色」の違う話でした。

関わる人が多い OSS にはコミュニティ内のコミュニケーションの難しさがあったり、1 人で開発している OSS には「忙しさやモチベーションが尽きてしまったことなどによってフェードアウト」の問題があったり、標準技術にはそれをつかわず独自実装してしまう有力プレイヤー企業の問題があったり…。

ということばかり気にしているとなかなか手が出せなくなりますが、「自分が手掛けた OSS が世の中で利用されている」ことは(人によるかもしれませんが)大きなモチベーションになるし、自分を売り込むとか企業が人を引き付けるとか、スキルアップにつながるとかいろいろメリットはあります。

また、標準化については社会コストを下げられるとか、「オレオレプロダクト開発で脆弱性を作りこんでいることに気づかない」のを避けられる、などのメリットも。

(標準化という文脈は一旦置いても、自社開発ライブラリを OSS 化することで「イケてない仕様でコードの過剰な密結合を引き起こす(そしてコードの改修コストが高くなる)ライブラリ」のようなものが出来上がるのを避ける、というメリットもあるようです。)

なかなかハードルが高そうな OSS 活動ですが、ドキュメント整備など「手を付けやすいところ」からの貢献も色々ある…ということで。

今のところ、わたし自身は「OSS の輪の中」ではなく「1 つ外側の輪」で貢献することを考えて興味のあるところに関わっていますが、そのうち気が変わったら何かするかもしれません…?

(まあ、ほんの数年前には「人前に出てなにかをする」ことなんて全く考えていませんでしたし…「気が変わる」というのは意外とあるかも?)

あと、質問でも話題になっていた「コミッター過労・燃え尽き問題」について。

個人 OSS が予想外に人気になってしまい業務外で、となるとなかなか立ち行かなくなるので、企業が自社のエンジニアに OSS 活動の時間をを与えることにとどまらず、コミュニティ形成・維持の支援をすることも重要かと思います。

企業自体、「いつ終焉するかわからない他者開発の OSS」を使いたくはないでしょうし。

なお、今回の話とは直接関係ありませんが、リーガル面も含めてサイボウズさんがそういう「社員の OSS 活動」の支援や「自社開発プロダクトの OSS 化」を積極的に進められているようなので、今後も注目していきたいと思います。