構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

きのこカンファレンス 2025 現地参加(3/9)後編

hmatsu47.hatenablog.com

の続きです。

なお前編を読まれた方はお気づきかと思いますが、触れる順番は時系列に沿っていません。

リカレント教育

LT 1 本目、河野さんのお話を聞いて。

わたしは税理士法人や経営コンサルが母体の会社で働いているので、一旦休職したりパートタイマーになったりして大学院に通って MBA 取得を目指す人が身近にいたんですよね。

パソコン通信が今のキャリアに繋がる

ブースの年表のところで、話を聞く前に適当に目の前にあった色の付箋に書き始めてしまいましたが、

他の人たちとは逆向きの始点・終点の線が描かれていますw

社会に出る前の行動が結果として「職選びの転期」になりました。

(その前は「IT は趣味にとどめておこう」と思って国税専門官や会計方面の職を考えていたのですが)

そして、LT 2 本目の下岡さんのお話を聞きながら、就職後に

をやっていたのを思い出しました。

(数十万出して SIer から調達したリモートアクセスサーバー(RAS)が使い物にならなくて、自力で退役 PC を使って予算数万円で安定稼働する RAS を立てたのでした)

なお、文系大学生時代に工事担任者資格を取りに行ったのがここで役に立ちました(RAS の待ち受け側のモデムの信号レベルの調整が必要だったので)。

就職氷河期を思い出しつつ

AWS の会社アカウントでいつもお世話になっているサーバーワークス兼安さんのお話、

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受託側と発注側の違いこそあれ、割と似たスタンスで仕事をしていたのではないかと思います。

(結構長いこと自社のシステムに必要なものの調達やベンダー交渉などをやりながら自分で構築したりときにはアプリケーションを開発したり)

大変ではありましたがネガティブなことばかりではありませんでした。

採用抑制で人手が足りない分、一人で色々な役回りを経験することができたり。

他部署に首と片足をつっこむ自由人w

リソースが貧しかったころの思い出と AI の進化から、プログラミングとソフトウェア開発の未来に思いを馳せる

ランチセッション 1 本目、柿崎さんの貧民的プログラミングのお話。

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わたしの「プログラミングデビュー」は小学生の頃。

メインメモリが 64KB(アドレス空間の関係で ROM から RAM へのマッピングの切り替えをせず直接アクセス可能なのが 32KB)という狭い空間を使い、最初は BASIC、続いてマシン語を使ってゲームなどを作っていました。

(当時のアセンブラは高価だったので小学生には買えず、5mm 方眼紙にニーモニックと 16 進数のオペコードとオペランドを書いては打ち込んでいました)

時は過ぎて 2025 年。

生成 AI を使ったプログラミングも、ここ数ヶ月の間に自律型エージェントの世界に本格的に突入してきました。

午後の尾高さんのお話、

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そしてそれに続く米久保さんのお話でソフトウェアの設計と AI が出てきました。

www.docswell.com

米久保さんのお話を否定するつもりはないのですが、個人的に「貧民」時代を経験してきていることもあり、今後 AI が人間を介さずにコードを書く時代になれば設計原則のようなものも含めて「変わりゆくもの」になるんだろうな、と思っています。

(昔は今でいうところの「設計原則」のようなものが一般に流布しておらず、せいぜい「スパゲッティやめろ」とか貧弱なリソースを有効活用する上での「設計テクニック」のようなものしか出回っていなかった記憶。もちろん今に繋がるプログラミング言語はすでに多数存在していたので、思想自体はいろいろとあったはずだけど)

(「素早く変わりゆくもの」と「ゆっくり変わりゆくもの」という違いがあって、設計原則の類いは後者。また、「具体と抽象」のそれぞれの境目が時代によって変わって行き、いま「設計原則」と呼ばれているものが徐々に「具体」側として扱われるようになり、ものによっては消えていくイメージ)

コードを書くこと自体は数年から十年、設計については十数年の間に段々と「人間の仕事」ではなくなっていく可能性を感じていますが、個人的にはワクワクしています。

余談その 1(注:クレームとかではないです)

会場に着いてすぐ(行動を起こす前に) #きのこ2025 の TL を見ていて発見してしまいました。

そして↑のポストを書いた時点では気づいていなかったのですが、実はブースでたまたま居合わせて一緒に出展者とお話をしていた方でしたw

(後で偶然見かけて名札を見て気づいた)

気に触るようなことをうっかり喋ってなければ良いけれど…。

(長く生きて活動していればこんなこともあるさ、というか)

余談その 2(同上その 1)

これ、あるあるなので、見つけたらぜひ声をかけてあげてください。

余談その 3:自分が出して落ちた CfP について(同上その 2)

(ここまでの話で気づかれた方もいらっしゃるのではないかと思いますが)

  • 地方民
  • 就職氷河期に地方の無名中小企業に就職
  • 転職なしで現在に至る(来年で 30 年)

という、「世の中には意外と潜んではいるけど、カンファレンス参加者層にはほぼいないであろう希少種」の立場で、一応 CfP の一本ぐらいは出しておいたほうが良いのでは?と思って出しました(落ちました)。

カンファレンスとしては「n>1」「再現性」のほうが求められるだろうな…と思いつつ、「でもリアルな世界は n=1 の集合だよな」と思いながら。

参加後に TL を見ていて、

実際に登壇された方々の中には地方在住の方もいらっしゃったのですが、今回とは違う「需要」がありそうなことがわかりました。

いろいろなバリエーションがあっても面白いですよね。

(関西が「地方」なのか議論の余地はありますが)


クロージング後は、帰りの新幹線の時間が迫っていたので名残を惜しむ間もなく足早に会場を後にしましたが、すごく充実した一日でした(その分、何もしていないのに非常に疲れました←年齢を実感)。

関係者のみなさま、ありがとうございました!