ISACA名古屋支部の12月の例会後の懇親会で、監査法人の方に勧められたので読んでみました。
技術論ではなく、ビジネス視点、というより、社会的な視点からブロックチェーンを解説する本です。
ブロックチェーンというと、ビットコインの基盤技術とか、FinTechの一種ぐらいにしか理解されていないかもしれないが、もっと広範な、社会全体に影響を与えうるものだ、ということを説明しています。
知っている方にとっては「何をいまさら」かもしれませんが。
ウェブが情報の流通・管理を中央集権的な仕組みから解放して分散化を促したのに対し、ブロックチェーンは価値の流通・管理を中央集権的な仕組みから解放して分散化するものであり、ビットコインのようなデジタル暗号通貨を実現するためだけのものではない、ということを丁寧に説明しています。
ただ、典型的な翻訳本の文体ですので、オライリーの翻訳本が苦手な方には、読むのがちょっと辛いかもしれません。
理解を深めるには、WIRED Vol.25も併読すると良さそうです。
こちらも翻訳文がありますが、主要な記事の半数は日本人が書いたものなので、翻訳本が苦手な方も、安心して(?)読めます。
若い方、特に社会に対して思うところのある方にとって、取り組む価値の高いテーマだと思います。
というか、我々おじさんにとっても、(結果としてどうなるかはわかりませんが)避けては通れないテーマだとは思います。
そうなるまでにはかなり激しい抵抗はあるでしょうが、大多数の人が、「会社に所属して会社で働き、会社から給料をもらう」生活ではなくなる可能性もあるわけなので。
書き忘れていましたが、ブロックチェーンは情報セキュリティにも大きく関連しているので(CIA+AccountabilityまたはTraceability、Authenticity、Reliability)、セキュリティに関わる人にとっても重要テーマだと思います。