構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

PostgreSQL Conference Japan 2019(11/15)

2 年連続で参加してきました。

www.postgresql.jp

去年は朝の通院と重なったので午後からでしたが、今年は朝から参加できました。

ぬこ@横浜さんが Togetter でまとめてくださっています。

togetter.com

(以降、感想などを。)

PostgreSQLの皮を被った次世代RDBMS - Project Tsurugi (劔) について -(神林 飛志さん)

  • なかなかぶっ飛んだ?お話で目が覚めた(眠くなかったけど)
  • 他の方が呟いていたように、現実には「性能 1/10」でもコード書くのが楽なら従来型の RDBMS が選ばれるケースがまだまだ多そう(一部のサービスを除くと「それで十分」なケースが多いし)
  • とはいえそればっかりではなにも進歩しないので、こういうプロジェクトが進められているのはありがたい

クラウド時代のPostgreSQL - Hyperscale (Citus)(藤田 稜さん)

  • Azure の DB サービスでは OSSPostgreSQLMySQL が伸びていると聞いて、時代が変わったことを実感
  • 最近流行りの「スケールする RDB」、全然追えてない
  • やっぱり中国には負けてる(単なる「利用」という面だけでも、リクエストの声が少ない)

PostgreSQL 12 and beyond(ミカエル・パキエさん)

  • 遅刻してしまったので途中から参加
  • 新機能、これからの機能を大雑把にしか把握できなかったので後で資料を見直す

PostgreSQLだってビッグデータ処理したい!! ~GPUとNVMEを駆使して毎秒10億レコードを処理する技術~(海外 浩平さん)

  • 先日の「熱演!再演!PGConf.Asia 2019」の復習として聞く
  • 性能の高さ・リソースの潤沢さは全然違うけど、ハードの限界や「隙間」を活用する姿勢(?)が 8 / 16 ビット時代に頑張っていたことに通ずる気がして親近感がわく

Kubernetes でつくるPostgreSQL as a Service(小林 隆浩さん)

  • こちらは「スケール」というより「たくさん管理」というコンテキストの話(がメイン)
  • ストレージ I/O に使える NW 帯域・遅延の問題は早めに解決する必要がありそう
  • とにかく「どんどん使って試してみる」ことが大事になりそう

PostgreSQL のための共有ディスク型スケールアウトの開発(綱川 貴之さん)

  • 開発に懐疑的な開発者のお話(笑)
  • アンケートを取ると結局「できたら欲しい」という話に…(日本の闇?)

The Digital Experience with PostgreSQL in Taiwan(林 宗禧さん)

  • 台湾の日本との違いを実感
  • 日本がやってることが全て良くない・遅れてるわけではないと思うけれど…

懇親会ではコレ↓を。

なお、見知った MySQL サイドの皆様もちらほらといらっしゃいました。

去年、何気なく参加したことでその後の行動範囲がかなり広がったので、こうして温かく受け入れていただけるコミュニティはありがたいです。

(去年は午後だけでしたし懇親会にも参加しなかったのですが、それでも。)


【おまけ】

こちら↓もよろしくお願いします!

ヤフー名古屋 Tech Meetup #4 - OSSコミッターNight(11/12)

参加してきました。

yahoo-nagoya.connpass.com

当初より技術的なこと以外の話が中心になるだろうとは思っていましたが、

  • 普段から(特定の、という意味ではありませんが)OSS にはお世話になっている
  • お世話になっているのに無関心なのはちょっと…

ということで、コミッターの皆さんのお話を聞きに行きました。

※今回は個別ではなく全体を通しての感想などを書きます。

  • Apache Hadoopコミュニティとヤフーの関わり(鯵坂 明さん)
  • 身近な技術的課題から始めるOSSプロジェクト(林 和弘さん)
  • 標準技術に携わる理由と標準化活動のやり方について 〜ID連携・認証領域の事例〜(倉林 雅さん)

Apache Hadoop のようなコミュニティが存在する著名な OSS から、身近なことを対象にした小規模な個人開発 OSS、そして標準技術としての OSS、のそれぞれ「毛色」の違う話でした。

関わる人が多い OSS にはコミュニティ内のコミュニケーションの難しさがあったり、1 人で開発している OSS には「忙しさやモチベーションが尽きてしまったことなどによってフェードアウト」の問題があったり、標準技術にはそれをつかわず独自実装してしまう有力プレイヤー企業の問題があったり…。

ということばかり気にしているとなかなか手が出せなくなりますが、「自分が手掛けた OSS が世の中で利用されている」ことは(人によるかもしれませんが)大きなモチベーションになるし、自分を売り込むとか企業が人を引き付けるとか、スキルアップにつながるとかいろいろメリットはあります。

また、標準化については社会コストを下げられるとか、「オレオレプロダクト開発で脆弱性を作りこんでいることに気づかない」のを避けられる、などのメリットも。

(標準化という文脈は一旦置いても、自社開発ライブラリを OSS 化することで「イケてない仕様でコードの過剰な密結合を引き起こす(そしてコードの改修コストが高くなる)ライブラリ」のようなものが出来上がるのを避ける、というメリットもあるようです。)

なかなかハードルが高そうな OSS 活動ですが、ドキュメント整備など「手を付けやすいところ」からの貢献も色々ある…ということで。

今のところ、わたし自身は「OSS の輪の中」ではなく「1 つ外側の輪」で貢献することを考えて興味のあるところに関わっていますが、そのうち気が変わったら何かするかもしれません…?

(まあ、ほんの数年前には「人前に出てなにかをする」ことなんて全く考えていませんでしたし…「気が変わる」というのは意外とあるかも?)

あと、質問でも話題になっていた「コミッター過労・燃え尽き問題」について。

個人 OSS が予想外に人気になってしまい業務外で、となるとなかなか立ち行かなくなるので、企業が自社のエンジニアに OSS 活動の時間をを与えることにとどまらず、コミュニティ形成・維持の支援をすることも重要かと思います。

企業自体、「いつ終焉するかわからない他者開発の OSS」を使いたくはないでしょうし。

なお、今回の話とは直接関係ありませんが、リーガル面も含めてサイボウズさんがそういう「社員の OSS 活動」の支援や「自社開発プロダクトの OSS 化」を積極的に進められているようなので、今後も注目していきたいと思います。

オープンソースカンファレンス2019 Fukuoka からおれんじ食堂乗車、大宰府周辺散歩など(11/9 ~ 10)

こんな経緯で、オープンソースカンファレンス2019 Fukuoka(OSC2019 福岡)に参加することになりました。

www.ospn.jp

Togetter にもまとめられています。

※タグだけでなくてキーワードでも拾われているようなので、参加前のわたしの変なツイートも拾われています…。


ブース準備もそこそこに、朝一の講演へ。


www.ospn.jp

MySQL ユーザ会(MyNA)副代表、坂井恵さんとの掛け合いスタイルでお話をしました。

朝一ということで「参加者 5 ~ 6 人くらいかな?」と思っていましたが、実際には開始後にも人が増えて 2 桁には達していたはずです(ありがとうございます)。

実際のところ、坂井さんの温度感(「これはすごい労力を掛けて作ったものなので、思い入れも大きいはず!」)と実際のわたし(「Re:VIEW 使ってなにか本を作ろうかな?よし、Qiita に MySQL 8.0 ネタをいくつか書いてるからこれを上手く使って書いちゃえ」)とのギャップで話がうまくかみ合わなかったりしましたが、そこがかえって面白かったかもしれません。

その反面、結果としてわたしが伝えたかったことのうち 2 ~ 3 割程度しか伝えられなかったので、ここに残しておきます。

※普通に登壇してスライドを使って話をしても、伝えられるのはせいぜい半分程度ですのでなにも問題なし(?)です。

  • なにかを始める・やってみるハードルは意外と低い
  • 対象への深い思い入れ、強い意志などなくても技術同人誌は作れる
    • 商業本はそれなりに大変だと思うが、技術同人誌は本人の匙加減でどうにでもなる
    • もちろん同人誌もすごい労力を注ぎ込んで出される方もいらっしゃる。そのあたりは人それぞれ
  • 本の出版にしても個人プロダクトのリリースにしても、資格・検定への挑戦にしても、「これ 1 本に賭ける!」という強い覚悟と意気込みを持って取り組んだ場合、受けるリターンの少なさにかえって絶望するリスクがある
    • 世の中の人たちは自分が思うほど自分に関心がない。大きな見返りを期待しないほうが良い
  • 気楽に色々なことに挑戦してみることをお勧め
    • それによってチャンスが増えるので、結果として「気づいたら人生が変わっていた」ということがあるかも?
    • ただし気が進まないことを手当たり次第にやっても辛くなるだけ。「なにかしなきゃ」という強迫観念からは、なかなか良い結果は生まれない
  • 今回、「MySQL 8.0 の薄い本」を受け取られた方も、気楽に読んでもらえれば大丈夫
    • 「ちゃんと感想伝えなきゃ」とか思わなくて良いです
    • 気が向いたら、本でもブログでも良いので、あなたも何か書いてみては?
  • まわりの人と同じことをするよりは、「ちょっと違うこと」をしてみるのがお勧め
    • 今はデータベースはあまり人気がないし、「クラウド化で DBA の仕事がなくなる」という言われ方をしてしまうこともあるけれど、クラウドのサービスが DBA から「管理」の仕事を奪うことはあっても DBA が不要になるわけではない
    • サービスの表面的な仕様だけではなくて裏側の仕組みを知ってる人のほうが強い
    • そういう意味では「物理のネットワーク」のスキルもお勧め

ちなみに、わたしの薄い本の宣伝だけしても面白くないので、こちらの商業本のジャンケン争奪戦もやりました。

gihyo.jp


出番が終わった後はしばらくブースでゆっくりしてました。

隣の PostgreSQL ユーザ会ブースで展開された質問対応が興味深かったのと、PostgreSQL ユーザ会の平田さんと「コミュニティと地域性」の話をしているうちに、うっかり自分のブースの仕事をするのを忘れていました。


午後は講演にも参加してきました。

www.ospn.jp


www.ospn.jp


www.ospn.jp


ブース展示と講演が終わった後、LT 大会&閉会式、そして懇親会にも参加。

九州産業大学の学生さんともお話しました(が、ちょっと「うっとおしいおっさん」ぽくなってしまったので反省…うまく話しのキリを付ける術を身に付けねば…)。


懇親会後、そのまま出水に移動し宿泊。

翌朝の起床試験に成功しました。

おれんじ食堂、1 号車貸し切り状態だったので、つい乗務員さんとおしゃべりしすぎて外の景色をあまり見てなかった(笑)。

でも天気が良かったので、「天草の向こうの雲仙普賢岳」は見ることができました(リプ右上)。


新八代でおれんじ食堂の旅を終え、JR 在来線と西鉄天神大牟田線を乗り継いで大宰府周辺へ。

なお、「令和」に縁のある大宰府ですが、(大きくて邪魔なキャリーケースをロッカーに預けるために)「太宰府館」に立ち寄ったところちょうどテレビで「祝賀御列の儀」を中継していました(都府楼前駅から坂本八幡宮経由で大宰府展示館→大宰府政庁跡まで歩いて疲れたのでしばし休憩しながらテレビに見入ること 40 分)。

※「大宰府」と「太宰府」の使い分けが難しい…。


大宰府周辺の散歩を終え、天神経由で博多に戻り、新幹線で家路につきました。

…翌朝になって気づいたのですが、お土産をいれた袋を右手首に下げて歩いていたせいで、右手首に内出血の跡が…。

ちょっと強行軍でしたが、その割にのんびりとした時間を過ごすことができた旅でした。