構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

地方の勉強会に参加して思うこと

自ら地方(名古屋近郊)に住んでいるのにこのタイトルは何?という気もしますが。

最初に参加した勉強会こそ名古屋だったものの、それ以降は「東京中心、時々大阪・神戸、セキュリティだけ地元名古屋」のカンファレンスや勉強会に参加してきたのが、

  • ここ 1 年、セキュリティ以外の名古屋の勉強会に参加するようになった(といってもほとんど JAWS-UG ですが)
  • 岡山、磐田と別の地方の勉強会に(立て続けに)参加してみた

という状況で、地方の勉強会について色々思うこと・感じたことがあるので、忘れる前に書きとめておこうかと思います。

hmatsu47.hatenablog.com

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(注) ここでは、あえて「インフラ勉強会」のようなオンライン勉強会には触れていません。オンライン勉強会はとても良い仕掛け・取り組みだとは思うのですが、「リアルの勉強会とは別モノ」「自分なりに評価を下すにはもうちょっと時間が必要」だと感じているからです(「ダメ」という意味ではなく、あくまでも「別モノ」と感じている、ということです)。

地方の「人」の問題

今回参加した「ITざっくばらん会in磐田」のディスカッションや懇親会の場でしきりに言われていたことが、

  • 自分の会社には、アンテナを張って新しい情報を収集して社内展開しようとする人がいない(ので、この場(=勉強会)に来ている自分のような人の仲間が社内にいない)
  • 東京には進んだことをしていてレベルが高い人がたくさんいる一方で、自社の状況を見ると旧態依然としていて、正直焦る
  • とはいえ、自分自身も東京にいるような人のようなレベルに達するのは無理に思える

でした。

これは私も感じることがあります。

ただ、冒頭で書いたように、勉強会に参加し始めて早い時期に東京に出ていくようになり、そのうちに東京の人たちとも交流を持つようになって感じた/気づいたことは、

  • 東京でも突出しているひとはほんの一部
  • すごい人と仲が良い人たちの中にもすごくない人たち(失礼)はたくさんいる
  • 勝手に東京の人だと思っていた人が、実は福岡など首都圏とは別の地方の大都市の人だったりする

です。


10/29 追記:

なんか東京の人を dis ってるように読めなくもないので補足。

  • 母数が多い分、すごい人の総数はやっぱり東京が一番、という印象(「割合はそこまででもない」という意味で「ほんの一部」)
  • すごい人が多いこと以上にすごくない人(=中級者)の層が厚く、かつ、すごい人とつながっていて仲が良いことが大事なポイント
  • 新しい技術を最初に取り入れるのがすごい人だったとしても、それが世の中に行き渡るには中級者の力が必要で、中級者が少なかったりすごい人と分断・対立していたりするとそれが不可能

ということです。


地方の「機会」の問題

とはいえ、やはり勉強会の数も多い東京と少ない地方の間では、勉強するにも機会の格差があります。

これについては、やはり「自ら東京のカンファレンス・勉強会へ出ていく」のが解決の近道かな、と思います。

というのも、こちらも「勉強会に参加し始めて早い時期に東京に出ていくようになった」から思った/気づいたこと、でして。

きっかけは、オープンソースカンファレンス(OSC)でした。

最初は、同じように IT インフラを担当するメンバーにも参加を促しつつ、OSC 名古屋に参加したときは「こんなものだろうな」(悪い意味ではなく)と思ってセッションを聞いていました。

あるとき、たまたま予定が空いて東京の OSC に参加しよう…と思って OSC のサイトを見ていたところ、

  • 東京と名古屋では開催セッション数が全然違う
  • 東京と名古屋では出展者数が全然違う
  • 東京と名古屋では参加者数が全然違う

ということに気づきました。

その後、実際に参加してみて違いを体感したので(「ブログと著書の向こう側の世界の人」だった Oracle の奥野幹也さんに直接お会いしてお話しすることができたのが一番のポイント)、名古屋の中だけで「少ないチャンスを求めて」動いていることが正直バカらしくなった瞬間でもありました。

それから、興味のある分野のカンファレンスや勉強会へ、無理のない範囲で出かけていくようになり、その中で

  • セキュリティ分野は(名古屋近辺のセキュリティクラスタの方々のおかげで)名古屋にいても良い話を聞くことができる
    • 大阪へは行くとしてもわざわざ東京まで無理して行く必要はない
  • 商業ベースの展示会のようなところは参加しても得るものが少ない(Shownet の見学・解説を聞くことができる Interop のようなものは別)
    • 特別な目的がない限り、積極的に行くことはやめた

という形で対象を絞っていきました。

さすがに、興味のあるカンファレンスや勉強会に地方から毎回出席していては疲れますしお金も無くなります(休みすぎて職を失う危険も)。

一方で、東京の人には「多すぎる勉強会、どれに出れば良いのか困る」という悩みも。

今年、私は 1 ヶ月に 3 回以上東京に出掛けた月もありましたが、追いかける分野が拡散しすぎず適度に知見と仲間とのつながりが得られるペースは「1 ~ 3 ヶ月に 1 回程度東京へ行く」だと思います。

その中で、チャンスがあると見れば 1 ヶ月に集中して 2 度 3 度と出て行くのもアリだと思います。常にそこまで出ていく必要はないでしょう。

また、「自分はブームに乗り遅れて最近始めたばかりなので、地元の〇〇勉強会に参加してもレベルが合わない」という方は、東京に行けば「初心者向け〇〇勉強会」に参加できるチャンスがあるかもしれません。

東京に出掛けていくことで得るべきものとそれを得るための条件

知識や知見、スキルを目的にカンファレンスや勉強会に参加することも大事ですが、その一方で「仲間」を得ることも大事です。

「仲間」なので、無理にレベルの高い人とつながろうとするよりは、自分とレベルが近い人とつながるほうが後で生きてきます。「その人が活動する姿を見て、自分のモチベーションを上げることができる」からです。

もちろん、レベルの高い人とのつながりを否定するものではありませんし、初心者とつながり、レベルアップの手助けすることも自分のスキル向上につながります。

ただ、どんなレベルの相手であれ「人とのつながりをつくる」上で欠かせないのは「何らかの形で(所属組織外に)アウトプットする」ことです。どんなレベルでも構わないのですが、ブログでも LT でも何でも「アウトプットしている人同士はつながりやすい上、『意味のあるつながり』として継続しやすい」です。

アウトプットしていない人は印象に残りづらいので、関係も消えていきます。

それぞれの地方の『強み』を再確認する

東京へ行けば機会が多い一方で、地方の勉強会には、各地方ごとにそれぞれ強みもありそうです。

わが地元の名古屋では、(繰り返しになりますが)セキュリティ分野は地元セキュリティクラスタの皆さんのおかげで(尖った内容を求めなければ)そこそこ充実しています。また、参加者が固定化して外部から入りづらい勉強会がある一方で、JAWS-UG 名古屋支部のように、いつ入ってきた人か関係なく「ユル~く LT(「Lightning」ではなくて「Loose」だったりときには「Long」の「L」だったりもする?)できるところもあります。たとえ話す内容のレベルは低くても、他人に伝える経験をすることは必ずレベルアップにつながります。

岡山は 1 回しか参加したことがない(しかも場所は岡山市内ではなかった)ので断言はできませんが、

  • 地元から東京へ出て行った人が縁で東京とのつながりがある(合同勉強会で首都圏からの参加者・登壇者が多い)
  • 関西圏と地方の大都市である広島に挟まれた地理関係(岡山・倉敷周辺もそこそこ人口が多い)
  • 福岡からもそれほど遠くない

という状況からか、「東京に行かなくても東京の人と交流を持つことができる」のに加えて「西日本のエンジニアとも交流できる」という強みがありそうです。

磐田も 1 回しか参加したことがないので断言はできませんが、

  • 浜松のような大きな地方都市の隣にありながら独立した勉強会が存在する(CoderDojo のようなものを除いて)
    • JAWS-UG が浜松とともに磐田にもあるのは、某 Y 社およびその関連企業があるおかげ?
  • 市が、勉強会会場になりうる場所の Wifi 対応やコワーキングスペース設置などを支援している

というのは、実は日本全国を見ても稀な環境なのでは?と思います。

※私の住所地は名古屋に隣接していて磐田市とも規模が近いのですが、そのような勉強会は見当たらないです…「大企業の企業城下町」なのに。開催しても人が集まるイメージが全くないですが。

というわけで

…と長々と書いてきましたが、一言で言ってしまえば(あの「セイチョウ・ジャーニー」でも触れていた)「計画的偶発性理論」に沿って行動する、ということですね。

そういう意図から、「地方民の IT エンジニアにも、自分の活動次第でチャンスはありますよ」ということを伝えたくて、件の LT を(磐田で)しました。

まあ、あれだけでは伝わらなかったと思うので、こうして補足のようなブログエントリを書いたわけですが。

※「おまいう案件」であることは棚に上げつつ。

焦らず楽しんでやっていきましょう。

アウトプットを忘れずに。