今年は応仁の乱勃発550年の区切りの年、ということで静かなブームになっているらしいのですが、残念ながら、今のところ身近でブームにはまっている人を見たことがないです。
2冊まとめての紹介です。
1冊目のほうは、私が買ったものですでに3版だったので、それなりに売れているのだろうと思います。
当時、興福寺別当を務め、日記を残した経覚と尋尊の視点を頻繁に引用しながら話を進めています。ので、どちらかというと、戦乱の中心というより、離れたところからの視点で語っている割合が高い気がします。
応仁の乱は「戦国時代を生んだ」ということで、どちらの本も乱の終結後の社会の変化について触れていますが、こちらの本はどちらかというと勃発前の情勢について記しているページ数が多いです。
2冊目のほうは、もう少し簡潔にわかりやすく乱について記しています。先の本はいかにも歴史家・研究者が書いた本、という内容でしたが、こちらは歴史ライターが書いた本なので内容は軽めです。
ただ、後半に進むにつれて、若干内容が雑になってくるのがちょっと残念です。
尾張国の地図のとんでもないところに三河湾があったり、ある人物の評が前後で(説明をはさむことなく)変わっていたり、誤字があったり、等。
なんだか、締め切り前の光景が目に浮かぶようです。
それはそれとして、
・軽い気持ちでバトルを始めたら、予想外に大事になる
・軽く首を突っ込んでみたら抜けられなくなる
・メンツにこだわるあまり、引くに引けなくなる
・それまでの投下コストの回収にこだわって「損切り」できず、さらにコストが嵩む
・なぜか他人の顔を立てることに異常にこだわる人が出てくる
というのは、全部応仁の乱に当てはまることですが、今でもよくある話です…。
因みに、乱の登場人物に斯波氏・細川氏・一色氏・吉良氏が出てきますが、みんな(足利一門で)わが愛知に縁のある氏族です。
斯波氏は没落し残った子孫も(津川に)改姓してしまったので姓も地名も残っていないようですが、ほかは全て地名に残っています。
ただ、一色・吉良(どちらも今は西尾市)は分かるとして、細川氏のルーツが岡崎市の細川だったことは知りませんでした(これらの本ではなくて、読む直前に見に行ったこの展覧会で知りました)。
※すでに終了しています。