構築中。

名古屋のITインフラお守り係です。ITイベントへの参加記録などを残していきます。

「自分にしかできない仕事をなくそう」「自分にしかできない仕事をしよう」

トップページにあるブックマークのPR記事のタイトルを見て、考えてしまいました。

もっとも、PR記事が言いたいのは、多分「情報を個人で抱え込ま(せ)ない」という趣旨であって、スキルの話ではない(と思う)のですが(情報のことなら、適切なツールの導入と、ルールの徹底で解決する問題です)。

 

スキル・知識の話で言えば、

「自分にしかできない仕事をしよう」

と、

「自分(特定の個人)にしかできない仕事をなくそう」

は、個人であれば(目指すとしたら)前者を目指すのでしょうが、組織で仕事をしている環境なら、前者を禁止したり、前者と後者で無限ループすることもあります。

※組織としては「自分にしかできない仕事をしよう」ではなくて「必ず複数の人が同時に同じ新分野にチャレンジするルールにしよう」という考え方もありますが、複数のメンバーが足並みをそろえて(ルールを守るために、時に本人の自発的な意志ではなく他人からの指示で)新分野にチャレンジするのって、なかなか難しいものです。 

組織としては、どちらが良いのでしょう?

個人的な考えでは、

「どちらが良いということではなく、ループすれば良い」

と思います。

ただ、少なくとも、「自分にしかできない仕事をしよう」を禁止したり、「自分にしかできない仕事をなくそう」のほうからスタートしてしまうと、組織の能力が低い水準で統一されてしまい、レベルアップすることがなくなり、例えば

「未だに10年以上前の言語仕様の範囲で開発している」

というような、笑えないけどよくある、残念な状態になってしまうのだと思います。

 

もっとも、「自分にしかできない仕事をしよう」からスタートしたとしても、特定の個人が特定のスキルを身に付け、それを武器に仕事を成功させると、周りの人たちは、

「失敗を恐れる」

「目先の効率性ばかり見る」(時間を掛けたくない)

あまり、特定のスキルが必要な業務を、その個人にしか頼まなくなる(やらせなくなる)、というのもありがちな話です。

「属人性を排除するために、スキルを横展開しよう」

という意見には、総論として賛成しても、人は、目先の問題に、つい流されます。

「じゃあ、もう少し時間に余裕があるときにチャレンジしよう」

という話になり、そして、大抵の場合「時間に余裕のあるとき」は永遠に訪れません。

 

忙しいときにこそ、あえて横展開してみよう

というのが、私の意見です。

時間に余裕があるときは、だらだらしてしまって、教えられるほうもなかなか身に付きません。時間に余裕がなくて、適度なプレッシャーがあるときのほうが、かえって身に付きやすいものです(もちろん、デスマーチ中のように「過度なプレッシャー」の中ではダメですが)。

 

…なかなか受け入れられないですけどね。

今まさに困っている最中です。