読みました。
「問題地図」シリーズ4作を、1作目→4作目(↑これ)→2作目→3作目の順に読んでいて現在3作目の中盤まで読了しています。
正直言うと、4作のうち自分の職場に一番「あてはまらない」項目が多いと感じるのが、実はこの「システムの問題地図」でした。
著者の経歴や目次に並んでいるキーワードから、書かれている(であろう)内容と自分の職場のギャップがあることは読む前から想像していたのですが、自分の職場は、
という状態なので、当然といえば当然です。
他3作が特定の業種・規模ではなく一般向けに書かれた内容なので、読んだときに「当てはまる項目がある」と感じやすいのに対し(汎用的な言葉で書かれた、占いの答えが「当たっている」と感じるのと同じ理屈?)、「システム」という特定の対象を明示する形で書かれた今作では、内容が具体化されている分、たとえ業種が近くてもバックグラウンドが違う企業・組織にいる読者には「書かれている内容がちょっと合わない」と感じてしまうようです。
こういう本、ついつい「これこれ、あるある!」と「共感探し」するために読もうとしてしまいがちなのですが、むしろ、違う規模や文化の組織がどうなのか、比較して客観視するために読むほうが有用なのでは?(自組織の強み=そのまま伸ばしていけばいい点と、弱み=改善が必要な点がわかるし)と思います。
そこで感じたのは、
- 自分の職場にいる人たちは、総じて真面目に仕事をしているし、他者にも寛容な人が(まあまあ)多い
- 但し、外の世界を知らず、知るのが怖いと思っている。エンジニアの勉強会で登壇するような人の話は、レベルが高すぎて参考にならないと思っている(管理職も部下も)
- 年長者・上位者の意見が常に正しい、という考えが強い(↑と同様、管理職も部下も)
- 人数が少ないので、特定の人の発言力が大きい
- 結果として、エンジニアの成長機会は阻害されがち
でした。
逆に言うと、ここ以外、総じて大きな問題点はなさそうです(↑ここは結構デカい問題点だけど)。
※なお、大きな声ではいえませんが、同じ会社・グループでも、部署が違うと…ムニャムニャ。
リモートワークについては、管理職の側よりも部下のほうが「管理されないとついついサボるから自分には無理」と言っているぐらいです(といいつつその人たち、仕様や設計を家に帰ってもずっと考えていたりするので、リモートワークが導入されたら問題なく仕事をこなしそう。むしろ、気持ちの切り替えのために無理させないことのほうが必要?)。
私は常々「人が増えてオフィスが狭いから固定の席は要らない」「そのうち親の介護が始まるかもしれないからよろしく」と言いつつ、あえて出社せずにDCへ出向き、そこで業務をしていたりします。
組織の中にいると、つい「自社はすごい」だったり逆に「自社はあれもダメ、これもダメ」など極端な評価を下しがちですが、他社の「よくある事例」との比較で客観的に評価することができると、無駄に自信過剰になったり絶望したりしなくていいかな、と思います。
追記:
これ↓なんかも十分大きな問題なのでは?と思われるかもしれません。
問題地図シリーズの著者の方とTweetでやり取りをしたときも、自社というより相手先に与える悪影響のことを心配されていました。
が、幸い(?)、「取引先のクラウドシフト」が進んでおりまして。
事業が長く続くようなマトモなクラウドサービス事業者は、
- 変な値引き交渉には応じない
- 「タダ働き」を避けるルール・システムで動いている(そういう客は追わない・距離を置く)
スタンスですので、仮にこちら側に変なことを言う人がいても、まともに取り合いません。
そろそろ、これまでの考え方が古くなったことを認識し始めたような気がします。
で、結局、大きな迷惑を掛けずに済んでいます。